艶笑落語

 男女の間の艶っぽい物語を中心とした落語。換言すればエッチな噺。下ネタと言ってしまえばそれまでだが、ニュアンスとしては、少しだけエレガントな感じがする。
 筆者は、艶笑落語といえば、故・春風亭柳朝師匠を思い出すが、柳朝のあっけらかんとした話っぷりは、艶笑噺も変にイヤらしくならず、さっぱりと笑えた。

【余談ですが】
 高校生だから当たり前といえば当たり前ですが、深志落研では、下ネタは禁じ手という暗黙の了解がありました。
 別に上品ぶっているわけではなく、下ネタを取り入れることにより笑いの質が落ちることを懸念していました。下ネタによる声にならない笑い、というのがどうも・・・
 大学に進み、自分の大学を含め、いくつかの大学の落語口演をのぞいてみましたが、下ネタの氾濫に辟易したことを覚えています。笑いのレベルでは深志高校 の方が圧倒的に上だと感じ、大学で落研に入るのはやめました。

 同じように、当時全盛時代だった「欽ちゃん」こと萩本欽一も、下ネタは自分の弟子達も含め禁じていました。
 彼は、素人による自然な笑い(天然ぼけ)を重視し、欽ちゃんファミリーと称して素人芸をテレビの世界に取り入れていましたが、素人芸の増殖は、わざとく さい素人っぽさを氾濫させ、それとともに欽ちゃんも没落していったように思えます。
 一時期は、彼の1週間の番組の視聴率をすべて足すと100%を越えると言われた時代もありましたが、今ではほとんど見ることはありません。
 しかし、現在のお笑いの世界を見ると、下ネタと素人芸であふれている気がしますけどね。