地口落ち

 「地口」とは、広辞苑によると以下のように説明が書いてある。「俚諺(りげん)・俗語などに、同音または声音の似通った別の語をあてて、ちがった意味を 表す洒落(しゃれ)。例えば、『着たきり雀』(舌切り雀)、『年の若いのに白髪が見える』(沖の暗いのに白帆が見える)の類。秀句(しゅうく)。口合(く ちあい)。語呂合(ごろあわせ)。」
 要は「駄洒落」である。噺の話のコーナーで紹介した「牛ほめ」などは、典型的な地口落ちであるが、噺の全編地口のオンパレードになっている。
 ちなみに、その他の落ちの種類としては、「考え落ち」「仕込み落ち」「間抜け落ち」「逆さ落ち」「仕草落ち」「途端落ち」「とんとん落ち」「ぶっつけ落 ち」「梯子落ち」「回り落ち」「見立て落ち」などがある。
 中でもやはり「地口落ち」が一ばんお手軽なだけに、落語の世界では圧倒的なシェアを誇るのではないか。