ちく

 国語の教師。本名:藤岡改造、俳号:藤岡筑邨(ちくそん)。1923年生まれ。「ちくそん」を略して、生徒たちは「ちく」と呼んでいた。もちろん、面と向かって呼ぶ奴はいない。ちなみに繰り返すと「ちくちく」になる。
 当時、地元の信濃毎日新聞で俳壇コーナーの選者をしていたようであるが、映画評論家としての顔も持つ。国語の時間の大半を映画の話で費やしていたような気がする。なんだかよく分からない先生であった。
 昨年、そんなちくそんの著作が映画化された。「さようなら、クロ」(監督:松岡錠司、主演:妻夫木聡)である。私は残念ながら見損なったが、映画を見た 友人によると、「なかなかよかったよ」とのことである。映画が何よりも好きなちくそんが、80歳にして映画の原作者となる。喜ばしい話である。